目次
ヨーテボリの夜明けとマスコット「Jester Head」の誕生
アイアン・メイデンの叙情とデスメタルの冷徹な暴力の融合
🇫🇮1990年、スウェーデンのヨーテボリにて、イェスパー・ストロムブラードが当時在籍していたセレモニアル・オースの傍らでイン・フレイムスを立ち上げたとき、その衝動は極めてシンプルだった。デスメタルの冷徹な残虐性に、アイアン・メイデン直系の美しいツインギターのメロディを融合させること。1stアルバム「Lunar Strain」(1994年)では、後にダーク・トランキュリティの顔となるミカエル・スタンネがセッションボーカルを務めており、北欧メロデスの歴史的な「ゆりかご」としての熱気がそのまま凝縮されている。
ハッタリから始まった契約とマスコット「Jester Head」の誕生
1993年、Wrong Again Recordsと契約を交わす際、彼らは「すでに13曲レコーディング済みだ」という不敵なハッタリ(実際には3曲しかなかった)をかましてサインを勝ち取った。その後アンダース・フリーデン(Vo)が正式加入した2ndアルバム「The Jester Race」(1996年)で、彼らはバンドの永続的な象徴となる「Jester Head」を世に送り出す。このピエロを模した不気味なアイコンは、暴虐的なデスメタルの中に内包された退廃的な美学を雄弁に物語るものとなった。
世紀末のSFコンセプトと黄金ラインナップ
人類の破滅と占星術を重ね合わせたコンセプト作「Whoracle」の衝撃
1997年の3rdアルバム「Whoracle」は、人類の繁栄と占星術、そして避けられない破滅をテーマとした壮大なコンセプトアルバムである。フレドリック・ノルドストロームとの共同プロデュースにより研ぎ澄まされたサウンドは、スタジオ・フレッドマンという北欧の寒冷な空気感を見事にパッケージしていた。アルバム完成直後に初期メンバーのグレン・ユングストロームとヨハン・ラーソンが脱退するという最初の危機に直面するが、このドラマもまた彼らの音楽に冷徹な翳りをもたらした。
黄金ラインナップの確立と、キー・マルセロのゲスト参加が光る傑作「Colony」
ピーター・イワース、そしてダニエル・スヴェンソンが加入し、ビョーン・イエロッテがドラムからギターへ転向したことで、バンドはその後約12年間にわたり不動の絆を誇る「黄金ラインナップ」を確立する。その第一歩となった1999年の4thアルバム「Colony」は、ツインギターのハモりが最も美しく結実した瞬間だった。収録曲「Coerced Coexistence」では元Europeのキー・マルセロがソロを執るなど、彼らの欧州型ヘヴィメタルへの深い愛情とルーツが随所に滲み出ている。
🔥「3.Scorn」「7.Coerced Coexistence」💪💪
絶対王者の頂点「Clayman」と、モダンへ舵を切った「Reroute to Remain」
メロデス帝国の絶対的完成度「Clayman」と赤坂の夜
2000年の5thアルバム「Clayman」は、イン・フレイムスがメロデスの様式美を極限まで突き詰めた金字塔である。この時期、彼らは日本公演の熱狂を詰め込んだ初のライブアルバム「The Tokyo Showdown」をリリース。赤坂BLITZでの獰猛なパフォーマンスは、彼らが世界のメタルシーンの頂点に手をかけた瞬間を克明に記録している。ツインギターのフレーズが緊密に絡み合うアンサンブルは、この時点で完全に完成されていた。
スタジオ・フレッドマンからの自立と「Reroute to Remain」がもたらしたコミュニティの分断
「Clayman」のアメリカ市場でのブレイクが、彼らにドラスティックな脱皮を促した。2002年の「Reroute to Remain」では、長年根城にしてきたスタジオ・フレッドマンを離れ、ダニエル・ベルグストランドのプロデュースによりクリーンボーカルやエレクトロニカを大胆に導入。さらに2004年の「Soundtrack to Your Escape」では、パトリス・ウラエウス監督による「The Quiet Place」などのシネマティックなMVを連発し、アリーナ級のオルタナティヴ・ロックジャイアントとしての地位を不動のものにした。
IF Studios設立と「A Sense of Purpose」での栄華、そして心臓部の離脱
プライベートスタジオ「IF Studios」開設と、スウェーデン政府「輸出賞」受賞の社会的快挙
らは創作の純度を保つため、かつてスタジオ・フレッドマンがあった旧物件を自ら買い取り、プライベートスタジオ「IF Studios」を立ち上げる。ここで制作された「Come Clarity」(2006年)はスウェーデン・チャートで1位を獲得し、さらにスウェーデン政府から「輸出賞」を授与されるという、ヘヴィメタル・バンドとしては極めて異例の国家的快挙を成し遂げた。メタルを単なるサブカルチャーから、国家のプライドへと押し上げた瞬間である。
🔥 This is a masterpiece !!!
「A Sense of Purpose」の洗練と、創設者イェスパーの突然の離脱
2008年リリースの9thアルバム「A Sense of Purpose」は、アレックス・パーディが手がけたアートワークも含め、さらに洗練されたモダン・メタルを提示した作品となった。しかし、その成功の裏でバンドの心臓部であったギタリストのイェスパー・ストロムブラードのアルコール依存症は悪化しており、2009年のツアー離脱を経て2010年にバンドを脱退。結成メンバーが一人もいなくなるという、バンド史上最大の激震が走った。
引用元:https://en.wikipedia.org/wiki/In_Flames
en.wikipedia.org
en.wikipedia.org